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  • 2022-06-16 12:40:16 发布

足球风云日文同人文2一富士二鹰三蜜柑-久保の初梦の巻

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1.どうしても寄らなければならない用事があって久保は遅刻してしまい、会場についたときには、すでに新年会はたけなわだった。ガラッと戸をあけると湯気とアルコールの匂いといっしょにわっと歓声がおしよせてきて、久保はおもわず耳をふさごうとしたけれど、やけに盛り上がりまくってるチャチャチャッ?の手拍子にあわせてだれかの名前が連呼されていたのが気になって。「か、神谷?」おそるおそる、耳といっしょに閉じていた目をひらいて、久保がそこに見たものは。「わーっ!?」チームメイトにぐるっと取り囲まれて、たぶんそこにあったはずのナベもコンロもとっくに片づけられて妙に広いお座敷テーブルの上に神谷が仁王立ちになっていて。見るからにヨッパライモード全開で。ホント回るの早いよね。神谷は久保に気づくと、異様なハイテンションで声をかけた。「おっ、久保遅いじゃねェか! ちょーどいいや、お前もつきあえ!」「なっ、なにやってんの神谷!」仁王立ちはいいとして、腰に片手を当て、もう片方の手でベルトをピシピシ振り回している女王様ポーズもいいとして、久保をカタマらせたのは。「なに、脱いでんの!!」(体育会系だから。)っちゃららららら~?BGMはなぜか〈オリーブの首飾り〉。選曲がちがうだろう。マジックじゃないんだから。そんなツッコミを入れる余裕はもちろん久保にはない。「斉木さんッ!」どうして斉木さんがここにいるんだろう、という疑問がいっしゅん久保の頭をかすめたが、この際そんなことにはかまっていられない。「どうして止めないんですか!?」「いーじゃんいーじゃん、やらしとけ」だめだこの人も酔っぱらってる。目つきがアヤシイ。久保はキッと振り返り、あやういところで間に合った。ソックスをのぞいて身につけている最後の一枚を、神谷が景気よく脱ぎ捨てるのを食い止めるのに。「うわーッ! 神谷そこまでーッ!」目をつぶって体当たりすると、久保はいきおいあまって神谷をテーブルの上に押し倒したが、なにしろ相手も、わかるでしょう、不安定な体勢だったとはいえフィールドの上だろうがテーブルの上だろうが黙って押し倒されているようなタマじゃないから、二人はそこで止まらずもつれあって畳の上にころげおちた。「……」じんじんするおでこをさすりながら久保はわれにかえると、すばやく状況を把握して、自分の反射神経にちょっと感謝した。とっさの判断だったけど、ちゃんと神谷をうけとめるように落ちてたので。でもその神谷が、うけとめられてでれっとのしかかったまま、サイフでもさがすように久保の身体をあちこち手探りしているという事態は、はっきりいって久保の判断能力をも超えていた。「な……なにやってんの? 神谷」おそるおそる、久保がたずねると。 「……さむい」神谷はそういって、ズルズルとウワバミが木に巻きつくように手足をからみつかせて、久保の着ているコート(外は寒かった)のなかにもぐりこもうとする。「……おーい」久保は腹筋にめいっぱい力をこめて起き上がろうとしたが、上がったのは顔だけだった。「イテェだろうがよ、この! 久保!」起きようとする久保のあごで頭のてっぺんをぐりぐりされた神谷がわめく。「ご、ごめん」久保はまたパタンと倒れる。神谷は戦闘体勢にはいったネコみたいに「ふぅーっ」と威嚇した。「うわ、酒くさいよ、神谷!」「すぅーっ」胸の上で、返事はすでに寝息になっていて。久保はちょっとぞくぞくした。畳の上が冷たかったせいかどうかはしらない。「風邪ひくよ、神谷」「すぅーっ」「神谷ってば」「うるせェなァ!!」神谷がとつぜんガバッと起き上がって吼えたので。またぞろそろそろと起き上がろうとしていた久保のあごにみごとな頭突きがきまり。久保の目のなかにチカチカッと火花が散った拍子に。久保は夢から覚めた。 2.「ははは。……夢かぁ。夢だよな」夢でよかったのかわるかったのか。久保はまぶたをこすり、溜息をひとつついた。まだ、夢のなかで神谷にからみつかれた感触が残っている気がする。ついでに、あごに強烈なアッパーをくらった感覚も。まだナマナマしい。久保が、夢のなかのことを本当にあったことのようにおもいながら、シビれるような余韻にひたっていると。「起きろー! 久保ー!!」耳元でいきなり大声にわめかれて、久保は本当にすこし宙に飛び上がった。「はい?」「てめェ、まーだ寝トボケてるみたいだなァ?」ぶんなぐっても起きねェなら、水ぶっかけてやろうか? あァ? などと、声はつづけてぶっそうなことをのたまう。久保はもういちど目をこすって、声の主をよくよく見た。そしてギョッとした。「神谷?!」「おう。ようやく目が覚めたか」「ここでなにしてんの?」「はァ?!」 神谷のこめかみのあたりがピクピクしたかとおもうと、久保はグイッと胸ぐらをつかまれて引きずり起こされた。「お前いったい、今日がなんの日だとおもってんだよ!?」なんだって神谷はこんなに激怒してるんだろう。ユッサユッサゆすぶられながら、久保は必死でかんがえる。「ええと、だから、……元旦?」「だーッ」気合とともに久保は床に投げ飛ばされた。「けっ?こん?しき!!」キレる寸前までイラだった声が、頭の上からふってくる。「結婚式? だれの?」とたんに神谷のするどいインステップキックが久保のわき腹をえぐった。「オレとお前のだ、バカ!!」そうか、と久保は妙に納得した。そうだったんだ。すっかり忘れてた。「ごめん、神谷」「オレがついてないとホントにダメなんだからな、お前」声といっしょにまたゲンコツかなにかカタイものがふってくるかとおもったが、……なにも起きず。どうしたんだろうとふしぎにおもいながら、久保はカメの子のようにはいつくばった姿勢からそろそろと首をのばしていった。まず目にはいったのは、見慣れたスパイクで。それから。久保がおもいきって顔を上げると。花嫁衣裳の神谷が立っていた。天使のように微笑んで。見慣れた白赤のユニフォームの代わりにフワフワの白一色のドレス。胸にはボール代わりのブーケ。とどめは真っ白なヴェールと花冠。まるでたったいま教会からさらわれてきたかのような花嫁姿だった。足元はスパイクだけど。「奇麗だよ、神谷」見とれた久保はおもわず口ばしってから、今度こそケリかドツキが飛んでくることを予期してさっと身をかがめたのだが。やっぱりなにも起こらないのでもういちど。おそるおそる神谷のほうを見ると。神谷はあきれるでもなく怒るでもなく、ただ笑っていた。ちょっと伏し目にして。こんな神谷は見たことがないと久保はおもい、夢でも見てるんじゃないかと頬っぺたをつねろうとしたその瞬間、これが夢なら覚めないほうが絶対いいと気づいた。「ごめんな」自分で自分の手を頬から引き剥がし、久保はすっくと立ち上がった。「なんであやまるんだ?」「え? えーと、その、いろいろと」神谷はくすくすと笑った。「久保、お前ってホントにヘンな奴だよな」「そう……なのかな。自分じゃよくわかんないから」「ヘンだよ。自覚しろ」久保はためいきをついた。「神谷がそういうんなら、そうなんだろ」「うん」 「でも、そこが好き?」神谷は笑って、こたえない。白くてフワフワとしていて、チョコレートとさくらんぼのお酒(キルシュヴァッサー)のいい匂いがしそうで、そうしていると、シュヴァルツヴェルター?キルシュトルテみたいに食べてしまえそうだ。「なに見てんだよ」久保がだまってしまうと神谷は胸を張り、両手を腰に当ててポーズをとった。ブーケがじゃまだったけど。「神谷」久保はもうじっとしていられなくなって神谷のほうにさっと踏みこみ、片腕を肩甲骨の下に、もう片腕をすばやくひざのうしろに回して抱き上げた。いきなりすくい上げられて、神谷はあばれだした。「なんのマネだよ! 久保!」「おとなしくしててよ。神谷。歩けないだろ」「お姫様抱っこはヤメロ!」「えー、なんで?」「オレは女じゃねェっつーの!」「いいじゃんべつに。減るもんじゃないし」「なにバカなこといってんだよっ! 離せ!」「神谷、ねぇたのむから落ち着いて」「ウルセェ! いいかげんに離せっての! このバカ久保!!」神谷は手足をバタバタさせ、柔軟な身体を曲げたりそらしたりして、やっぱり人に慣れない野生のネコのように久保の腕のなかであばれつづけ、引っかきこそしなかったけれど代わりに雨あられとひじ打ちをあびせまくり、最後に、なにをおもったかいきなり久保の頭をつかみ、目いっぱい引きつけてから、ひざのバネを利かせて思いっきり蹴り上げた。がつんっハデな音がしたとおもうと──久保はベッドのヘッドボードに頭をぶつけて目を覚ました。 3.「それが、お前の、初夢?!」斉木が目を丸くしていった。(どうしてここで斉木さんがとかツッコんではいけない。この話ではそういうカンケイなのだから。)久保はちょっとぶぜんとして頭のコブに手をやった。「はあ」斉木は珍獣でも見るような目でマジマジと久保をながめまわした。そしてひとこと放つ。「バカじゃねぇの、お前!」「はあっ?」ムッとするよりもワケがわからなくて久保は斉木をにらむ。 にらまれたことに気づかないかそれとも単に無視して斉木は久保のほうに顔をつきだし、ひたいにしわをよせて深刻な表情をつくるとぐっと声を落とした。ささやく。「だってお前、それ、途中で夢だと気づいたんだろ?」「はあ」ワケがわからないまま久保は頭をうなずかせる。「自分の夢だろ? だったら自分の好きなようにすりゃよかったんだよ!」「え?」久保が、いろんなイミでギョッとして、おもわずすこしうしろに引くと、ぎゃくに斉木は顔いっぱいにニタニタ笑いをうかべて身をのりだし、こぶしをふり回しながら力説した。「いや~、オレだったら絶対そうするね! もしオレの夢んなかに神谷が出てきたら、そりゃもうあーんなことやこーんなことや……」「斉木さん……目が逆ハート型になってますケド……」なんかコワイ……。「いや~久保、もったいないことしたなァ! だがそれがお前の限界だ! ああっはっはっはあ!」斉木の高笑いがとどろきわたったとき。「ウルセェ! 人がせっかく気持ちよくねてんのに!!」新年会で泥酔したあげく二人がかりで介抱されて布団をかけられ、寝ていたはずの神谷が目を覚ましてわめいた。それも一瞬で、またすぐに夢の世界へもどっていったようだが。斉木と久保は顔を見合わせ。すっかり叱られた犬二匹になって、身体を小さくしながら。けれどやがて、どこかくすぐられてるみたいな楽しそうなケタケタ笑いが二人のほうから漏れてきた。そんなこんなで。K高校サッカー部は。今年も春から。オメデタイ。(約一名部外者も混じってるけど。)